1.妊娠まで
32歳のときに未破裂の脳動脈瘤疑いと言われました。
以前の記事参照
大きさ・位置・形状的に経過観察になったのですが、、これまた見つかったきっかけが2人目がほしいからその前に人間ドックをということでした。
担当の先生からは「気にしなくて大丈夫!」と言われていましたが、
妊娠中は、
- 高血圧による破裂のリスク
- 出産時息むことでの破裂するリスク
- (帝王切開や無痛•和痛た分娩の場合)麻酔によるリスク
等々、、このリスクが如何程のものかわかりませんでしたが、元々出産なんて命懸けなのにもっと命かけなきゃいけない気がする!!と、気にせずにはいられませんでした。
2.妊娠
脳動脈瘤の疑いと言われてから約1年後、検査が色々落ち着いたタイミングで幸運にも2人目を授かることができました。
色々不安はありましたが、無事出産するまでにするべき事を調べ倒しました。
調べてみて分かった事があります。それは、
持病があっても問題なく出産できた人のデータはほとんど出てこない。
エビデンスがしっかりしているデータを探していたので主に学術記事等を探していたのですが、当たり前ですが学術記事はお医者さんが書いているので、何か問題があり治療を受けた人の記録しか出てこないんですよね。具体的には、妊娠中に破裂した例や、脳動脈瘤が大きくなり手術した例、死亡した例等。
妊娠中、ただでさえ情緒不安定になるのに、調べた事で不安になり過ぎて調べるのをやめようかとも思いましたが、無知の方が怖い!と思い直し、しっかり調べて受け入れていきました。
3.妊娠中
通常妊娠中気をつける事として、
- 妊娠高血圧症
- 妊娠糖尿病
- 体重の増え過ぎ
等々あります。
脳動脈瘤疑いと言われているのだから、気をつける事もさぞかしたくさんあるのだろうと思っていました。
・妊娠高血圧症
これは日本脳卒中学会のガイドラインにも載っておりました。
3.開頭手術や血管内治療などの外科的治療を行わず経過観察する場合は、喫煙・ 大量の飲酒を避け、高血圧を治療する(グレードA)。
引用元:未破裂脳動脈瘤の治療-日本脳卒中学会
https://www.jsts.gr.jp/guideline/235_240.pdf
高血圧を治療、グレードAですね。すごく推奨している。
逆にいうと、高血圧でいることは破裂のリスクが高くなる可能性が高いですよ。
ということですね。
妊娠中、やはり血圧に関しては気をつけよう!と思いました。
・妊娠糖尿病
・体重の増え過ぎ
コレステロール 値、ヘマトクリット、心疾患、糖尿病、NSAIDsの使用歴とは関連しないと報告されてい る(III)1、7)。肥満度(BMI)は、クモ膜下出血の発症と逆相関しており、喫煙習慣や高血圧 保有との関連では、痩せた高血圧の人、痩せた喫煙者ではクモ膜下出血の危険が増大した と報告されている(III)8)。
引用元:クモ膜下出血-日本神経治療学会
https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/nou2009_04.pdf
なんとびっくり‼︎くも膜下出血においては血糖値も肥満度も関係なし!むしろ痩せているとリスクが高くなる!
というわけで、ストレスなく食べたいものを(食べたいだけ)食べ妊娠生活を過ごしました。
でもこの時は普通分娩を想定していたので、太り過ぎると産道が狭くなって難産になったら困る!と、気持ちセーブもしておりました。
4.出産方法
今回の妊娠中一番悩みました。
結果的には今回は帝王切開での出産になりました。
なぜ悩んだかと言うと、
脳神経外科の先生は
「普通分娩はあまり勧められないな〜。無痛分娩か帝王切開どっちかかな。どっちもリスクはあるし、どっちが安全ってわけでもないけどね。」
と言っており、
産婦人科の先生は
「無痛分娩は完全に無痛なわけじゃないし、産む時は息むし、息んでも本当に大丈夫か聞いてきて。」
というし。
おまけに母は
「産道を通った方がいろんな菌に晒されて、赤ちゃんにとっていいみたいよ。」
とも言うし。
色々調べた結果、だいぶ無痛分娩に心は動いていました。その理由が、
- 回復が早い
- 退院が早い
- お腹を切らなくていい
1.回復が早い
出産してからがスタートなのに、そこにお腹を切った痛みがプラスされるなんて、、
という訳で、無痛分娩にプラス1票。
2.退院が早い
私が出産した病院は普通分娩が7日で帝王切開だと10日くらいが目安で退院とのことでした。
当時5歳の上の子が心配で心配で早く帰りたかったので、無痛分娩にプラス1票。
3.お腹を切らなくていい
《癒着》というワードが気になっていました。
癒着とは?
手術した器官や組織が、手術後お互いにくっついてしまうことがあります。手術などにより損傷を受けた組織や臓器表面が、お互いに接触したまま組織の再形成が行われるために癒着が起こります。
引用元:手術による癒着を防ぐ|産婦人科の手術-ジョンソン・エンド・ジョンソン
https://www.jnj.co.jp/jjmkk/general/interceed2
腹痛や、腸閉塞、不妊の原因になったりすることもあるそう。
できればこのリスクは回避したいなと思い、無痛分娩にプラス1票。
これらの理由を主治医の先生に伝えたところ、
それまではお任せしますから考えてきてと言ってくれていた先生が、
「気持ちはわかります。ただ、私達は元気に入院してきた妊婦さんを赤ちゃんと一緒に元気におうちに帰すのが仕事です。無痛分娩で息んで動脈瘤が破裂してクモ膜下出血になって、助かったとしても障害が残ったり、赤ちゃんのお世話もできない状態になるかもしれない。帝王切開もそのリスクが0かと言われたら0ではないけれど、どちらかと言われたら帝王切開の方がリスクは低いと思うから帝王切開でとう?」
と、言われました。
即決でした。
「はい。帝王切開にします。」
2秒後には答えていました。
後期つわりで気持ちも悪いし、一人で調べて考えるのも疲れたし、コロナの事もあったしで、2人目の出産とはいえ状況が1人目のときと全く違ったので、先生に背中を押してもらえて安心した自分がいました。
いろいろ調べはしましたが【未破裂脳動脈瘤疑い】は、結局計画帝王切開を選びました。
【未破裂脳動脈瘤疑い】出産編につづく。